パーキンソン病の診断・治療
パーキンソン病は手足が震えたり、体を動かすことが困難でゆっくりになるといった特徴的な運動機能障害を示す脳神経疾患です。
高齢化が進んでいるため,パーキンソン病や類縁疾患であるレビー小体型認知症が増加しており,注目を集めています. また,脳神経内科(神経内科)を専門にしていない医師が「パーキンソンかな?」と診断した患者さんのなかには,症状がよく似た別の疾患がまぎれていることも多いです. ぜひいちど脳神経内科専門医への受診をおすすめします.
特徴的な運動症状は以下の4つで、これを四徴といいます。
振戦
1秒間に10回未満の比較的ゆっくりとした震えです。手足の他に口唇を含む顔面にみられることもあります。安静時に目立ち、動作を開始すると消失することが多いのも特徴です。
無動(あるい寡動)
動作が全般的にゆっくりになります。歩く時の歩幅が小さくなったり、動作を繰り返すうちに動きがさらにだんだんと小さくなったりすることもあります。また、歩行時の手の振りが小さく。特に動作の開始が苦手となり最初の一歩が出なくなったり(すくみ足)します。顔面の表情が乏しくなったり、話すときも小声で歯切れがわるくなったりします。
筋強剛(筋固縮ともいいます)
筋肉に緊張があり、他者が手足を動かした時にうまく力を抜くことができません。特にパーキンソン病の場合は、他者が動かしたときにガクガクと歯車がかみ合うような抵抗を感じることが特徴です(歯車様筋強剛)
姿勢反射障害
バランスが崩れたとき、これを支えるための脚の一歩がでないため、そのまま転倒しやすくなります。倒れる際にも両手を広げるなどの反射的動作ができず、しばしばたっていた時の姿勢のまま棒のように倒れます。特に後方に転びやすくなります。
実際にはこれらの症状が様々な組み合わせでみられますが、その程度により、重症度が分類されています。このうち、ヤール重症度3度以上、生活機能障害2度以上の場合、厚生労働省の特定疾患の認定対象となります。
パーキンソン病と認知症
パーキンソン病には認知機能の低下や様々な自律神経障害が合併しやすいことが分かっています.認知機能低下や幻視などが目立つタイプは,レビー小体型認知症として注目を集めています.身体症状と認知機能の低下,それ以外の症状を一体として考えて,治療をおこなう必要があります.
治療
パーキンソン病は難病ですが,治療薬がたくさんあります.また毎年のように新薬が開発・発売されています.当院では患者様の症状にあわせて適切な薬物治療を選択していきます.