「アメリカの俳優ブルースウイリス氏が失語症のために俳優を引退する」というニュースが話題になっています．この失語症という病気は，私が医師を目指すきっかけになった疾患であり，大学院在籍時代から現在まで，失語症患者さんの診療をライフワークにしています．現在も当院には多くの失語症患者さんが通院されています．

　失語症という疾患は，脳の言語中枢が障害されて発症し，「言葉を話す」「言葉を聞いて理解する」「物の名前を正しく呼称する」「文字や文章の読み書きが障害される」などの症状があります．最も多い原因は，脳梗塞や脳出血などの脳血管障害ですが，意外に知られていないのが「進行性失語症」です．この「進行性失語症」はMRI検査を行っても異常を発見しにくいため，丁寧に診察をしないと誤診や見逃しをされてしまうことが多いのが現状です．

当院には失語症や高次脳機能障害などの専門家であるST（言語聴覚士）が在籍しており，通院リハビリを行っています．失語症のことなら何でもご相談ください．